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20231220

秀逸なストラテジーゲームは戦闘システムが優れています。

戦闘が”良い”ストラテジーはそれなりに見てきましたが私の望む”完璧”なものはそうそうなく、ようやくStellaris Nexusがその片鱗を見せてくれました。というかStellaris Nexusを触ってようやく自身が望む究極なものが何かに気づきました。

私の考える”究極”のPvPストラテジーとして必須な要素は、戦闘にミクロが介在しないこと、戦闘に同時性があること、の2つです。

その点ではCiv4も5も6も駄目でした。いや、良いゲームではありますが”完璧”なものではなかったのです。
その理由の1つに攻撃側と守備側で戦闘の意味が変わるということが挙げられます。
Civ4では攻城兵器は”攻撃する”ことで範囲攻撃のような副次的損害を与えることができますが、敵から”攻撃された”時はそれが発生しません。同様にチャリオットの対斧ボーナスは攻撃時にしか機能しない、など攻撃と守備で挙動が異なる要素が多々あります。
このようなゲームで対人を行うと”どちらが先に動くかレース”になりがちです。まぁそこにも読み合いがあるわけですが、一般的にはよりミクロが優れた者が有利に立てるわけです。Civ5やCiv6もノーリスクで敵にダメージを与えられる遠隔ユニットが存在することから少なからずミクロの要素があります。というかターン制リアルタイムのストラテジーは全て”敵に殴られる前に逃げる”、”逃げられる前に敵を殴る”といったミクロの要素が介在します。

本家Stellarisもその宿命からは逃れられませんでした。Stellarisは実質ターン制でないほぼほぼRTSに分類されるゲームで、戦闘については一度エンゲージしてしまえばミクロが介在しないという点では優秀ですが、”いつ押すか”、”いつ引くか”のラインの上げ下げにミクロが介在します。”内政に気を取られた瞬間敵に距離詰められてオワタ”ということが普通に有り得る世界線なのです。

であれば、リアルタイム制が一切介在しない純粋なターン制のゲームであればいいのでは?と思われるかもしれませんが、あまり練られていないターン制ゲームはそれはそれで問題が発生します。どちらが先手/後手になるか問題が起こるのです。

直近だとHexarchyがこの問題を払拭できていませんでした(ように見受けられます)。ユニットの移動に各文明の順序が存在するせいで、”敵に都市を占領される前に都市に援軍を送る”、”都市に援軍を送る前に敵が都市に移動して占領された”という差が生まれるのです。これは私が望むストラテジーの2つ目に挙げた同時性がない例になります。

一方でStellaris Nexusでは戦闘フェーズを普段の内政フェーズと完全に切り離すことで対応しました。互いに艦船がカチ合うと、カチ合うことの先攻後攻などは存在せず”次のターンに戦闘フェーズに移行する”ことで先手/後手などの優越がつかないようになっているんですね。

なるほどなぁ、よく考えるなぁと正直思いましたね。ターン制のボードゲームでもあまり練られていないものは先手/後手の差があるままになっているものもありますし、いい戦略ゲームを作るって難しいんだなぁとしみじみと感じた次第です。