Stellaris Nexusを触って改めて思いましたが、私はどうにも”スケーリングをするゲームは難しい”という漠然とした理念を持っていました。Civ4マルチで初心者は上級者にどう足掻いても内政で勝つことはできないし、MOBAではラストヒット精度に始まるNet Worth差として顕著に現れます。”敵のパーにチョキを出したはずがクソデカいパーだったために負けた”を地で行くRTSだとさらにどうしようもありません。
しかしこの認識は誤りだったようです。まぁボードゲームの多くがスケーリングをしすぎずに、且つ絶妙なバランスを体現しているものが多いことからも明らかだったわけですが、私はこの神過疎ゲーを触るまでそれと気付くことができませんでした。
スケーリングするゲームというのは自分と敵の差が明瞭であり、”何故負けたのか”を測りやすくなっています。であればその差を埋めるために必要なものは何なのか、自分のスケーリングのどこが間違っているのか、と思考を発展させていくことができます。一方でスケーリング”しない”ゲームはその差が掴みづらいのです。そういったゲームは勝敗を決めるために複数の要素が複雑に絡まっており、Stellaris Nexusではそれが内政/軍事/外交/文化/諜報といった多岐にわたる手段として提示され、その時折で最も勝利点を稼げる選択をしなくてはいけません。
これはこの手のゲームに不慣れな人間にとってはかなり厳しいものではないかと思います。敵との差を認識し辛い、”何すりゃ勝てるゲームなのこれ”と思う人の数はスケーリングするゲームのそれよりも遥かに多いのではないかと思えて仕方がありません。
まぁ、そこから生まれる戦略性の広さこそが、ボードゲームがメジャーとはいえなくとも熱狂的なプレイヤーを抱える理由なのでしょうけれども。Stellaris Nexusも可能性に満ちているんですけど、このまま電子の大海に埋もれてしまうと考えると寂しいですね。