ようやくジョブごとの個別記事ですが、特にヒーラー個々のスキルの解説などはしません。ジョブガイド読めば分かりますし、細かい挙動はゲーム内で確認すれば分かるからです。アサイラムの総回復力が800とか言ったらブッ飛ばしますよ。ちゃんとゲーム内で確認してくださいね。
記念すべきジョブ個別記事の最初は暁月中稀代の雑魚ジョブだった白魔道士の話からです。
本稿はなぜ白魔道士が弱ジョブなのかを解説します。
ジョブの強さ弱さを考える時に、愚かにも某FFlogsの統計情報”しか”見れない阿呆が一定数います。
曰く、特にPH枠として占星術師よりもrDPS/HPSが出ているから白魔道士は強い、という論調をする者のことです。
実際に貢献火力という観点で優れているということは、こと早期攻略では重要となります。
しかし、HPSについてはどうでしょうか。HPSが高いからこのジョブは優れているという理屈は正しいのでしょうか。
では、例のアレを見てみましょう。それなりに要求回復量が求められる天獄3層から引っ張ってきたものです。
比較のために占星のも引っ張ってきました。共にほぼ同等のヒール量ですね。
さて、突出して目につくのはラプチャーの回復比率の高さでしょう。ラプチャーは言うまでもなく”回復、攻撃(ミゼリへの転換)、移動、Double Weave”を兼ねる白魔道士の生命線を担う技です。クソほど便利な主力技を一つ用意することで、ジョブ難易度を抑えつつもPTに貢献しやすくするという開発の優しさを感じる技なわけですが、一方でこのような用途が多岐に渡る技は”プレイヤーによって使用タイミングが変わる可能性が高い”というリスクを孕んでいます。
最善の使い方を考えてみると、
・ミゼリを各バーストに合わせたいので、リリーは溢れさせることなく120秒で6回使いたい
・敵がアンタゲの時にリリーを吐いて火力を”保留”させたい
・それでなくともMPを保たせるため(リリーは消費MP0)に最大限リリーは使いたい
こうなるわけですが、もしも”移動に使ってGCD止まらなければいいや”という発想をするプレイヤーがいたらその者が使うリリーは最善のものとはまるで異なるタイミングになるでしょう。
そしてラプチャーは、即発の回復技なので相方ヒラが合わせる猶予がないという特徴を持ちます。占星のアサリ、ホロスコ、マクロコスモスは効果が遅れて発生するために差し込みという観点では弱いですが、相方ヒラから見て合わせやすいという観点では優れています。その逆を行くのが白魔道士の主力ヒール技です。ラプチャー、ラプチャーに付随するインゲン、アサイズは全て即発のヒールであり、それらのヒール量が白魔道士の総ヒール量の半分以上を占めているということを頭に入れておきましょう。
また目につくのは、見ての通りの単純なアビリティの少なさでしょう。
総ヒール量が足りていれば、アビリティが少なくてもいいのでは?と思うのは早計です。
アビリティの豊富さは緊急時にヒールの厚みを増すこと、差し込みの択を増やすこと、立て直しの柔軟性を増すことに直結します。基本システムの解説で語った当たり前の話を言いますが、GCDを使った後のリキャスト中は他のGCDを使えません。つまりラプチャー使うと次のGCDまでラプチャーは使えませんし、驚くことに白魔道士はなぜかメディカもメディカラもケアルガもその他諸々も2.0秒のキャストタイムを必要とします。占星術師より0.5秒遅いというだけでそもそも発生が遅いわ、1アビも入れたらClippingするわ、そもそもアビリティ少ないわで緊急時対応が占星と比較して明らかに弱いです。シンエアーとかいうポンコツも、”蘇生に使ったら効率いいじゃん”と思いきや迅速蘇生に使おうと思ったらDouble Weaveを捻出しないと迅速とシンエアーをClippingなしで入れられないという体たらくです。どうなってるんでしょうか。
ということで、白魔道士が何をするジョブなのか纏めましょう。
スキル回しを固定化させる重要性が他ジョブよりも高い
固まったヒールワークを安定して回す重要性が高いです。それが出来ないと先述した即発系ヒールがブレッブレになって相方ヒラから見て”こいついつヒールするんだ…”と思われながら無茶苦茶オーバーヒールになったり必要な時にヒールが足りなくなったりします。”相方ヒラがヒール被せまくってオーバーヒールになりまくる”と文句を言って良いのは固定化されたスキル回しを、数トライ完璧に回した後だけです。初回だと相方ヒラの想定する白魔道士の回しとズレる可能性がありますし、スキル回しがブレる者はそもそもそんなことを語る権利がある以前にレイドヒーラーとして論外です。
緊急時対応が弱い
先述の通りです。逆を言うと緊急時対応が必要ないコンテンツほどその欠点は薄くなります。誰か死んだら即終了の立て直しの猶予がない高度な大縄跳びコンテンツや、異聞零式などです。
アンタゲが多いコンテンツほど輝く
ヒーラー唯一の敵を対象に取らないフルキャストの範囲攻撃をボス復帰に合わせられること、アンタゲ時にリリーを回すことで実質他ジョブより多くのGCDを攻撃に回せることからアンタゲが多いコンテンツほど相対的に他ジョブよりも火力を出せます。ピュアなのでPTメンバーが弱いほど本体火力を出すことの価値も高くなります。
指導戦闘用のヒーラーとしては優秀
即発のヒール技が多く、他ヒーラーから挙動を予測し辛いと書きましたが、逆を言うと”相方がこちらの挙動を見てどうのこうのする以前の不慣れちゃん”である場合はその欠点は消え去ります。相方ヒラに合わせて貰うために完全に固まった動きを安定して回すというのが白魔道士必須の理念なわけですが、不慣れちゃんが相方ヒラである場合は”相方ヒラに合わせてリリー含めた回復強度を柔軟に変える”という行為をしてあげれば割りといい感じに収まることも多いでしょう。”相方ヒラに合わせつつもシナジーにミゼリを合わせられるか”ということを考えながら遊ぶといい思考訓練にもなります。
ジョブメカニクスを考えるというのは個人的にこのようなジョブのスキルの特徴に則った”何をするべきなのか、何を考えるべきなのか”を積み重ねることだと認識しています。単なる火力/回復力の物差ししか持ってないのはお粗末にすぎると思いますね。