ナナゼロ文章の前提知識を語る。
“移動”には色々な意味があるが、私が考える移動の意味と難度を以下の図にまとめてみた。
上のほうがより高度な内容になるが、下ができてないと上ができないのではなく、個々の内容は独立している。この中でも絶対位置と相対位置の違いを今までちゃんと語ったことがなかったはずなので、今回はそれらについて語る。
絶対位置は文字通り、”ギミック処理のための移動先が絶対的に決まっているもの”だ。
代表的なものはボス方向基準左右二択、あとは最近流行りの”単一の塔が出現し、中で頭割りする”ギミックも絶対位置に分類される。問答無用でそこに行けばいいだけであり、明瞭だ。
相対位置もまぁ文字通りなわけだが、”ギミック処理のための移動先が相対的に変化するもの”となる。
ギミックとしての良い例は、竜詩開幕のハイパーディメンションだ。ランダム4名にマーカーが付与されて、北側の決まった位置にマーカーを捨て、残り4名で南側の決まった位置にマーカーを捨てるやつだ。このマーカーをどこで処理するかは”近いマーカーでかつ、他の人にとっても近いマーカーとなる所”を盤面を見ながら判断しなくてはならない。
さて、聡い人ならもう分かっていると思うが、“ギミック処理を整備するというのは、相対位置としてのギミックを絶対位置に落とし込む”という意味合いがある。
ペア頭割りを考えてみよう。ペア頭割りはペアがいる位置によって移動先が変わる。なのでペア頭割り自体は相対位置のギミックと考えられるが、ペア頭割りを”散開先を固定する”ことで絶対位置のギミックとして処理することもできる。H1D1が西、H2D4が東、のような。まぁこの例はペアが担当位置に来てない瞬間に相対位置に戻るが。
このような相対位置を絶対位置に置き換える行為こそがレイドでギミックを安定させるために必須なことである。オメガのニアファーを”雰囲気でやれ”と言われたら気が狂うだろうが、そうならずに済んでいるのは処理法で移動先を一意に絞っているからだ。そしてそれはギミックが高度になればなるほど重要になる。死刻で8人が直線に並んでマーカーの優先度を決めるように。
本来相対位置を問われる極限を行くギミックは、間違いなくアレキのナイサイだと個人的に考えている。
フィールド全体を使う余地があるが移動動線を強く意識しないといけないギミックなのは知ってのとおりだが、あれは
・全員によるマーカーの定期的な受け渡し
・全員による他のマーカーと接触しない移動動線の整理
・火炎放射、ナントカシールドをいい方向に向けるためのボス誘導
・ロール内ランダムから派生する頭割り、範囲(水柱)の処理
・水柱を凍らせる場所の考慮
・ヒールやバフを漏らさない
・メレーが殴り続けられる
辺りを考慮に入れなければならない。これらを煮詰めていってやたら分岐の多い絶対位置のギミックまで落としこんだものが、我々がよく使っている処理法となる。
一般的にどのギミックも絶対位置のギミックまで落とし込めるが、要因次第でそうはならないものがある。例えば先述した竜詩のハイパーディメンションは死刻のように横に並んで優先度付けをすれば、誰がどこに行くべきかが明瞭となるが、そのようなことをしている固定の方が少数だろう。これはハイパーディメンションがエンゲージ後すぐ訪れるギミックのためワイプのリスクが低いことと、一度教皇庁フェーズを突破してしまえばコンテンツ離脱まではもう目にすることはないので処理法を詰める動機付けが薄いことが理由として挙げられる。
バハの連撃のシェイカー捨てにも同様のことが言える。シェイカー2回目は四角マーカーの角を使って絶対位置にするのが主流だろうが、1回目は雰囲気で散開する固定もあるだろう。これも横一列の優先度付けで本来絶対位置に落とし込めるものを敢えてそうしていないだけだ。理由は分からない。私が見るにその時は死刻のような横一列散開による優先度付けという概念が存在しなかったからかもしれない。
連撃については最初の玉処理二連についても同じことが言える。玉マーカー対象がどの拘束具に入るかはどの処理法も厳密に決めているが、2回目の玉処理で誰がどこの拘束具に入るかはVCで雰囲気判断する固定もあるだろう(私が経験した固定は全部そうだった)。最近はV字処理というものがあり、それを見ると2回目の玉処理も厳密に入る人が決められているようだ。連撃は主流となる処理法が煮詰まる度合いとそれが出るタイミングによって相対位置と絶対位置が変わることもある良い例だろう。
さて、ギミック処理という観点では多くのギミックが絶対位置として表現可能であることを述べたが、一方で相対位置を使う状況は以下のようなものがある。
・処理法が固まっていない段階での暫定的な対応
・ギミックカバー
・視認性の考慮
この視認性の考慮をナナゼロで語る。ギミックカバーも絡めた上の動画を見ると分かる人間にはもうこの時点で分かるだろう。うめーな俺