【7.4】The diary
Author : She
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夜、庭先で流星を見た。
創造主の意志と、多勢の意志。それらは彗星のように交わって、堕ちた。
終わりを迎えるものは美しい。だが終わらないものは?
紅茶がうなるほどおいしく淹れられた。彼は気づいていなかったようだけど。
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天秤が静止するには土台が強固でなければならない。その条件を考える。
・アンタゲがないこと
・対多がないこと
・クリDHまたはあらゆる与/被ダメの上振れ下振れが存在しないこと
これを満たさない環境でバランスを語る意味は?
きしむ天秤は己が壊れる姿など夢にも見ないのだろうか。
いっぽうわたしは風車の夢を見た。モジュラー関数。
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昨日の話を師匠にした。
「各ロールの挙動が完全に同一であれば、上振れ下振れは考慮しなくてよい」
確かにと思いその場は同意したが、ジョブを変えて技名とエフェクトが変わるだけなのはありうる世界の行く末なのか。
彼に寝癖が残っていた。上振れ?
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ピクトマンサーはアンタゲに強い。天秤の土台をさらに緩くする問題児。
”そうしなければ、新しいジョブを表現できない”。創造者の声。
多勢の声はピクトに好意的。では次は?
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ヴァイパーは苦手という話を彼にした。
理由はリズムの歪み。わたしにはリズムは一定のほうが心地よい。天道が遅かった侍は結局元のリズムに戻った。賛否はあれどわたしはそちらのほうがいい。
赤魔道士ぐらいならまだ心地よい。たまにのモンクも。そう考えれば昔の黒魔道士は一定のリズムにするための努力があった。美しい過去。
雪を斬ってみた。彼は驚いていた。引いていたのかも。
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蜃気楼の奥の世界。久々に夢に見た。
スタンダードという移動方法。一体何がスタンダードなのか。不思議なことに蜃気楼の向こうから引き継がれたままのものがいまだに残っていることがある。
あの正気を削ってきた触手野郎のような無作為な視線攻撃はこの世界にはない。ではなぜスタンダードが標準なのか?誰にもわからない。
久々にスタンダードに後ずさる。彼は驚いていた。丁寧に腰を揉んでくれた。
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世界は増える一方だけど、住む人は限られている。食い合いになっている?
いいものが生き残るわけではない。よくないものが生き残ることもある。生き残っているということは、すなわち?
オーナーに会った。相変わらず男を食い漁っているらしい。楽しんでいる、とも言える。別れ際にヒルベルトの本を手渡される。彼に、とのこと。
彼は頭を抱えていた。しばらくはこの本で遊べそう。
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世界が美麗になった、ということは後続の世界は作られてはいない、ということ。
それはいいこと?あるいは次の世界のカタチを誰もイメージできていないのか。
大いなる蜃気楼の幻影が未だにつきまとう。Holy Trinity。それは夢を叶える大いなる三角形。野望が潰えたラスボスと沈む世界の中で戦った時のことを思い出す。それは別の世界の話。いや、あれも夢だったのだろう。
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彼とNレイドルレ。レイドなのに前座がある機械仕掛けにあたった。
「これ、なんの意味があるのでしょう」
かつて世界を焼く大いなる侵略者が、あの泉から立ち昇る演出のためにあった、とは当然彼は知らない。
伝えてもよかったが、伝えなかった。なにを恐れたのか。気が向いたら明日書く。
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気は向かなかった。
彼と蟹鍋をつつく。「蟹のように正確に横に動ければ」
おもしろいことを言う。風呂場で横移動の練習はやめてほしい。
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さらに冷えこむ。寒すぎて天球儀が開かなかった。ふて寝をする。
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師匠経由で審判者からの連絡があった。
蜃気楼の先で新たな兆候があったらしい。本物の深奥を追うには、比類なき知性も必要となるが、おなじく投資が必要となる。
それだけちゃんとコストをかけているのは数十人にも満たない。つまりその兆候を読み、正しく扱えるのは多くともそれだけの数しかいない。この世界でも同じだろう。
彼に黄色の本を手渡す。馬の本、ともいえる。彼は定価に驚いていた。本の価値は金ではない、と言いたいところだが安くはないのはそう。
返事代わりに彼を本で小突く。130ダメージ。
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完全自由な2体フェーズについて師匠と話し合った。
天秤の土台の強固さには創造者は興味がないらしい、と伝えたが師は「そうせざるを得なかったと解釈すればどうか」とのこと。
確かに。まだ世界は寒い。冬の終わりは遠い。
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オーナーに招かれる。勢揃い。
長い冬に備えるために必要なことについて長い議論を交わした。
変化があれば追従すればよい。変化がなかった場合はどうか。世界に誰が残っているのかの吟味が必要だという結論に至った。
彼は落ち着いていたように見えたけど、後で聞くとガチガチだったらしい。今度は私が彼の腰を揉む。腰は弱いらしかった。
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軒先で氷が鏡となっていた。
世界は映っていない。映すだけの思想がそこにはないのか。
土台が強固でなくとも、面白い世界を作ることはできる。
それを受け入れる者が残っているかどうか。多勢とは誰を指す?
外にほうったままの箒が凍っていた。掃除ができない。彼と本を読むだけの一日。
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冬の世界でも各々が好きなことを語らう。確率なき世界。統計の理解のなき世界。
本来天秤など傾いていいもののはず。”なき”世界なのに、なぜ天秤を気にするのか?
チェックがゆるければ誰も天秤など気にしない。それを気にせざるを得ないのは、チェックが厳しいこと、あるいはどのジョブも等しく戦えなければならないという思い込みがあるため。
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悪夢。肉親と恋人の二択をかけられる夢。
よくもまぁそんな決断を迫れるものだ。大いなるストーリーテラーの傷跡はしかし情熱に満ちている。古傷が疼くような熱を帯びて。
明示的な決定。Aを選べば何かの利益と損失があり、Bを選べばその逆がある。
そういったタフなストラータを多くの者は望まない。
だから世界は優しく構成されることが多い。それは明示的ではない、あいまいでぼんやりした決定に満ちているということ。まるで決定しなくて済むかのように錯覚するようなぼやけた世界。だけど、その薄明の向こうには結局ストラータがある。そして隠されているだけに過ぎないものがあばかれたとき、少なくない者が困惑する。
「この世界は何をすることを望まれているの?」と聞かれると答えに困る。
冬の空は彼方まで見渡せるという意味で好ましい。その奥行きに戸惑う者は、なぜそれを見てしまったのか、と聞きたくなる。ぼやけた世界で生きることもまたひとつの選択だというのに。
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昨日のつづき。優しくない世界、あるべき姿の世界を誰もが受け入れられるわけではない。結局私たちの多くは私たちが見たいものしか受け入れることができないのだ。万華鏡を通して見た世界は正しいカタチ?
経験的にそうだったけど、やはり正しい行為だったのだろう。
「この世界は何をすることを望まれているの?」
そう聞かれてできることは微笑む以外にない。あなたの見たいものだけが全てであり、それを他者がきょうせい(字を忘れた)することはできない。
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彼がくたびれたような顔をしている。この前のオーナー宅での話や、ここ最近学んでいるものから色々と思うところがあるのだろう。いずれとは思ってたけれど、この日記を見せる時も近いだろう。もっと丁寧に書けばよかったかな。


