鉄拳のクールダウンにFF14が丁度いい。考えることが本当に少ない。
つまり他のことを考えながら只々手を動かしたい時に程良い。そう思えばFF14は料理に近い。当たり前のことを丁寧に積み上げていって、全く違うことに思いを馳せる。
これを楽しめるかどうかも人によるのだろう。どっかで話したことを使い回すが、洗米の話をする。
・最初の洗米で出てくる白いヌカが米に吸収されないように、最初の水は多く入れてさっさと捨てるというのが通説
・最初も含めて”迅速に水を入れ替える”という観点であれば、都度水道から米を研いでいるボウルに水を入れるのではなく、別に用意したボウルに常に水道から水を流しておき、そこから米ボウルに突っ込んだほうがいい
これを見てなるほど、と思ってそうできるか、或いは”え、そのために別にボウル用意すんの?だるっ”と思うかは人次第だろう。だが料理というのは丁寧な積み重ねがモノを言う。食材の下処理をちゃんとやるとか、食材ごとの火入れを別々にするためにバラバラにあれこれできるかとか、再現性の確保のために温度や調味料量、時間の管理をどこまでできるかとか、言い出すとキリがない。
だがそういった細かな挙措は慣れてしまえば後は手を動かすだけである。そして工数と品質を天秤にかけて”今日はこう調理しよう”とさえ心づもりを決めれば後は手を動かしながら何かに思いを馳せるだけだ。
FF14もそれに近しい。改めて思えば、やはりFF14にはDecisionという概念がない。
変動するPTメンバーに合わせてどうのこうのとか、Level K-thinkingの話とかは過去にしたが、K+1を追う行為は広義のDecisionに入れてもいいとは思えど、鉄拳やった後に思うのはやはりバチバチのPvPゲーに比べるとFF14のK+1を掴むことなんてあまりにも容易であるということだ。
なので、辺獄3救出やら煉獄4後のAAをD1頭割りするアレとか再生2のアンブリをヒラLBでどうのこうのしてロットを忖度させたりとか……驚異的な立て直しやらなんやらも別にDecisionでもなんでもない。あんなもんどうでもいいただの予定調和である。
結局のところFF14というのは“補正”を楽しむゲームなのではないか、と思う。最善行動はその辺に転がっていて、そこに自分の手がどこまで丁寧にシーケンスを積み重ねられるか。未知のものに相対する時間がプレイ時間に対してどれだけ少ないかを考えれば、我々は大多数の時間をただの反復作業に費やしているに過ぎないのは明らかだろう。100にも満たないAPMで適当に指を暖めながら”リーンちゃんは相変わらずクソカワなのにスフェーンは何故刺さらないのか”とかどうでもいいことを考えることにこのゲームの価値がある。
あと他にもFF14には良いところがある。丁寧な積み重ねがどこでもできることだ。

その辺のファテを例に取ろう。
・敵を倒すと納品アイテムが手に入る
・落ちてるオブジェを拾うと納品アイテムが手に入る
これで何をするべきなのか。黒で考えてみる。
・抱えながら最大限範囲焼きができるAggroを取る + 敵を誘導する
・戦闘後速やかにブツを拾うためにIGCDで締める + その瞬間に落下物に隣接する位置取りをする
・IGCDで締められるようにするためにそれまでの技のクリダイのReflexを頑張る
・必要納品数を迅速に満たすための敵の撃破とブツを拾うのどちらがいいかを適当に考える
“ダメージの発生が遅い技ってカスいわ~”とか”ラインズステップの立ち回りのために魔紋置くのもアリだなぁ~”とか一度だけ思えば後は黙々と手を動かすのみである。そして”この誘導でその1匹だけ範囲漏れるんかよ”とか”HP0.6%残って草。AAがもうちょい強ければなぁ”とか思いながら補正をかけていく。
なんかもうこういう遊び方でいいじゃんというのが私の成果なのかもしれない。戦いの美学は静謐の中に佇んでいて、私達はいつでもそれに触れることができる。”最善行動ってなんですか?”とか言う奴は最早、時のふるいに掛けられて残っていない。それはそれで素晴らしいことだ、そう思う。
うん。いいクールダウンになった。鉄拳はサウナでFF14は水風呂、後必要なのは美味い酒だけだな。






 
			 
			