and Errorについて語るために、FF14がコケた話をしよう。
本稿で議題に挙げたいのが、それがある程度意図された結果ではないのか、ということだ。
あつらえ向けの例がある。モンハンだ。

買ってもないゲームの批評はできないが、集合知的には不評らしい。
ユーザの心情はさておき、これは売り切り系のマルチプレイヤーゲームとしては(少なくとも開発側の観点からは)成功である。サーバ維持費を考慮に入れれば、買い切りのゲームは買われて即ユーザが離れるのが最もコスパがいい。

ということでモンハンは1000万本以上売り上げて、現状はこんな感じである。当然steamの人口が全てではないが、下のグラフを見ればその定着しなさ具合がだいたい分かるだろう。
ワイルズについては中傷が原因で公演が中止になる等の余波があり、公式Xでも以下のようなツイート(死語)があった。

私はカプコンをスクエニよりは買っているので、カプコンの開発は炎上なんぞ予想の範疇内だと認識していると考えている。その強度の大小はさておき、それは予想し得るものであり、結果だけを見るとユーザの信頼をコストとして利益を叩き出したに過ぎない。それが長期的な利益/損失になるかどうか(結論として成功/失敗だった)の評価は難しいが、私はこのように捉えた。彼らはTry and Trialをしたのだ、と。
根拠もないが明言しよう。ゲーム業界では”適切な”マネタイズが何かを誰も理解していない。当然私にも分かるはずがないが、皆が模索している段階が続いているように見える。特にガチャとかいう極左がいるせいで、エッチなデータを得るために10万単位で金を喜んで払うやつがいる一方、売り切りゲーのボリュームが少ないと文句を垂れるやつもいる。ゲームの内容とそれに払う金の天秤について各社が試行錯誤をしていると考えれば……FF14がなんであんなことになったのかある程度整理することができる。
FF14は拡張パッケージや課金アイテムもあるが、やはり特筆すべきは今となっては殊更に珍しい月額課金制であることだろう。つまりFF14は開発側の都合だけを考えるならば、開発コストを最小限に、ユーザが残り続ける(或いは増える)ことが望ましい。そしてパッチの間隔がコロナ禍で伸びて以来そのままおざなりになっていることも記憶に新しいが、徐々にコストを下げ続けた結果、黄金で天秤の一線を超えたのだと考えればどうか。(或いはコストについての言及がPLLでもあったように)
そして……特筆すべきは削って残ったコストを使う方向性も見事に(マジョリティの評価的に)ダメだったことだろう。黄金メインクエIDの難化やフォークタワー、そしてアルカディアの出来の良さ。”ライト勢が遊べるコンテンツがない”と叫ばれて久しいが、それが吉田の一存なのか開発全体の意地なのかは分からないが、不思議なことに彼らはFF14を戦うゲームだと信じつづけている。そりゃあコケるて。
根源を為すメカニクスを易化させまくったスッカスカのベースの基で何故足掻いているのかさっぱり分からないのだが、もしくは今に始まったことではないが最早レイドはただの合コン会場に過ぎない。そして合コンはレイドでなくともできる。零式や絶なんぞ撤廃して、新衣装を数百も出してそれを集める4人用のリプレイ性の高いコンテンツでも作ったほうが全くもって健全だと私には思えて仕方がないが、開発が”FF14は戦うゲームだ”と信じる限りはそんなことにはならないのだろう。
涙ぐましい。泣けるぜ。どんな勇敢なTryをしてもユーザによるTrialが全てだと彼らは気づいていないのか、気づいていながらも尚押し通しているのか。今日もせっせと吊り橋効果を高めるためのレイド制作に苦慮していると考えると……中々に胸が熱くなる。その結果生まれるのが初老の姫だったとしても。一貫した姿勢を取り続ける者はそれはそれで美しさがあり、その姿勢をどこまで貫けるかは見ものだ。
ちなみに私は7.5絶は来ないと見ている。